「ス」攻略部隊

概要

ラバウル占領後に解隊されたR攻略部隊の一部をもって、ニューブリテン島中部南岸の「ス」(スルミ:Surumi)方面の要地攻略を目的にR方面部隊中に編成された実行部隊。第六水雷戦隊司令官梶岡少将を指揮官とし、特設巡洋艦「金龍丸」乗船の陸戦隊主力をスルミに、特設運送船「高瑞丸」乗船の陸戦隊一部をガスマタ(Gasmata)攻略にあてた。(Google Mapにある現在のガスマタがスルミのことで、当時ガスマタといえば、Google Earthの倍率をさらに上げるとスルミの南東に表示されるGasmata Islandのガスマタを指しました。Google Mapではガスマタ島は存在しないことになっていますので、Google Erath(=航空写真)の方で閲覧ください。両者の位置関係については添付の地図をご参照ください。)

 17.02.01:機密R方面部隊命令作第1号:「ス」攻略部隊編成
 17.02.01:機密「ス」攻略部隊命令作第1号:【兵力】(艦船のみ抜粋)

 17.02.01:第一兵力部署(上陸完了まで)
          主隊:   第六水雷戦隊 (夕張)
                金龍丸高瑞丸
          掩護隊:  第二十九驅逐隊(追風、夕凪)
          警戒隊:  第三十驅逐隊 (睦月、彌生、望月)
          航空部隊: 聖川丸
                第二十九驅逐隊(朝凪)
 17.02.09:第二兵力部署(上陸完了後)
          主隊:   第六水雷戦隊 (夕張)
          航空部隊: 聖川丸
                第二十九驅逐隊(朝凪)
          第一警戒隊:第二十九驅逐隊(追風、夕凪)
          第二警戒隊:第三十驅逐隊 (睦月、彌生、望月)
         (第三警戒隊:第十四掃海隊 (玉丸第二玉丸)
          附属隊:  金龍丸、高瑞丸

 17.02.14:機密R方面部隊命令作第4号:
 17.02.15:1300 R方面部隊電令作第16号により解隊

「ス」攻略部隊電令作

 17.02.02:「ス」攻略部隊電令作1号:六水戦機密第418番電:
       2月3日1300より夕張に於て作戦打合を行う
        第三十驅逐隊は一時哨区を徹し1100迄に帰投すべし

 17.02.04:機密「ス」攻略部隊電令作2号:六水戦機密第422番電:
      1.「ス」攻略部隊は2月5日0500ラバウル出撃、2月5日未明主力を以てスルミ、一部を以て
        ガスマタに上陸決行要地攻略確保、「ス」飛行場を急速整備、爾後の航空作戦に協力せんとす
      2.第一軍隊区分(部隊、指揮官、兵力の順)
         主隊 直率 第六水雷戦隊 (驅逐艦隊欠、金龍丸(特陸)、高瑞丸(第四建築隊派遣隊)
         掩護隊 第二十九驅逐隊司令 第二十九驅逐隊(朝凪欠)
         警戒隊 第三十驅逐隊司令 第三十驅逐隊
         航空部隊 聖川丸艦長 朝凪
         (以下不明)

 17.02.04:「ス」攻略部隊電令作3号:六水戦機密第423番電:
       当隊ラバウル出撃を延期す

 17.02.05:「ス」攻略部隊電令作4号:六水戦機密第424番電:
       第四艦隊機密第485番電及び機密R方面部隊電令作第3号に依り「ス」作戦を延期す

 17.02.06:「ス」攻略部隊電令作5号:六水戦機密第427番電:
       「ス」攻略作戦上陸決行期日を2月9日未明とし主隊ラバウル出撃日時を2月8日0600と定む
       各部隊予定の如く行動すべし

 17.02.09:「ス」攻略部隊電令作6号:六水戦機密第431番電:
      1.警戒艦: 10日0800迄 第二警戒隊
             11日0800迄 第一警戒隊(以下之に準じ交互実施す)
      2.警戒要領:昼間 A、B、C区警戒
             夜間 A、B、CよりD、E、F外線迄敵潜掃蕩
      3.非番の警戒隊は乙泊地に入泊、夕張は六番、警戒隊は七番乃至十番間に便宜投錨

 17.02.09:「ス」攻略部隊電令作7号:六水戦機密第435番電:
       敵大艇スルミ飛行場上空に在り
       聖川丸は0400以後なるべく速に飛行機発進、之を撃攘すべし

 17.02.10:「ス」攻略部隊電令作8号:六水戦機密第437番電:
       第三十驅逐隊はリンデン港及びフェレボルン港附近を索敵掃蕩すると共に水上機地並に
       避泊地としての利用価値を徴さ、本日1800迄に主隊に合同すべし

 17.02.10:「ス」攻略部隊電令作9号:六水戦機密第438番電:
      1.敵機は従来の行動に徴し概ね同一行動を反復すること多く夜間及び黎明来襲の算大なり
      2.聖川丸は0415迄に激撃に遺憾無きを期すべし
      3.金龍丸、高瑞丸は日没前後便宜乙錨地(高瑞丸六番附近、金龍丸八番附近)に転錨すべし

 17.02.11:「ス」攻略部隊電令作10号:六水戦機密第447番電:
       金龍丸は荷役済次第ラバウルに回航すべし

 17.02.12:「ス」攻略部隊電令作11号:六水戦機密第454番電:
      1.航空部隊は12日夕刻哨戒機揚収護、高瑞丸は14日設営器材揚陸完了後、夫々ラバウルに帰投
        すべし
      2.主隊並に第一、第二警戒隊は直率14日高瑞丸を護衛ラバウルに帰投、次期作戦準備を整頓す、
      3.陸戦部隊は守備隊(指揮官:近藤少尉、銃隊及び機銃隊各一個小隊、高角砲隊)を残留し
        高瑞丸出向前之に乗船を了すべし
      4.設営部隊は20日頃所定の飛行場整備作業完了せば所要の残留員(約60名)を残しラバウルに
        帰投すべし、収容艦其の他追て令す

 17.02.12:「ス」攻略部隊電令作12号:六水戦機密第459番電:
      1.「ス」攻略部隊電令作11号中高瑞丸主隊及び第一、第二警戒隊のスルミ発期日を13日1500に
        改む
      2.第一警戒隊は0600に至らば哨戒を止めスルミ港内掃海立標を撤収すべし、但し港口の立標は
        高瑞丸出港後撤するものとす
      3.第二警戒隊はリンデン港コプラ工場並に其の附近利用し得べき敵資料を押収すべし

 17.02.13:「ス」攻略部隊電令作13号:六水戦機密第465番電:
      1.第十四掃海隊(第二小隊欠)を当部隊第三警戒隊とす
      2.第三警戒隊は準備出来次第スルミに回航、同方面主として海上面の警戒に任ずべし 

 17.02.14:「ス」攻略部隊電令作14号:六水戦機密第468番電:
       ラバウルに到着(0900の予定)せば
      1.各艦(隊)は直に寶洋丸に横付け、燃料補給を実施すべし
        第一回:一番隊(右舷)、二番隊(左舷)各二隻
        第二回:夕張(右舷)、驅逐艦二隻(左舷)
      2.高瑞丸はトラックに回航準備を完成すべし
      3.陸戦部隊は原隊に復帰待機すべし

「ス」攻略部隊信電令

 17.02.09:「ス」攻略部隊信電令第1号:六水戦機密第433番電:
       スルミ碇泊中の機関待機を左の通定む
      1.自0300至0800及び自1600至1900
        イ.第六水雷戦隊: 12節即時、24節30分、28節30分、最大戦速1時間待機
        ロ.金龍丸・高瑞丸:12節15分間待機
      2.右以外時刻
        イ.第六水雷戦隊: 12節20分、24節30分、最大戦速1時間待機
        ロ.金龍丸・高瑞丸:12節30分間待機

 17.02.10:「ス」攻略部隊信電令第2号:
       明11日御写真奉拝は行わず遙拝式は0800戦闘配置に於て便宜各部指揮官所定に依り実施すべし

「ス」攻略部隊信令作

 17.02.07:「ス」攻略部隊信令作第1号:
       「ス」攻略部隊命令作第1号別紙第2の附録第二「ス」攻略部隊特定略語並に規約に左記を追加す
      1.信文、略語の順
        泊地進入隊形制れ(ハシタ連送)
        第----警戒航行序列に占位せよ(ケコレ数字連送)
        第----漂泊隊形制れ(ヒハタ数字連送)
      2.備考欄
        (*)本略語に依る信文中肯定文又は命令形を疑問文又は回答要求文に改むるには当該略語に
           (?)を連送す
           例 ヨシ連送?上陸準備完了セシヤ

 17.02.07:「ス」攻略部隊信令作第2号:
      1.「ス」攻略部隊戦策中泊地進入隊形に於けるA及びBを各一粁に改む
      2.泊地進入後(漂泊せよ)の令あらば各艦は直に機械を反転して其の位置に漂泊するものとす

 17.02.08:「ス」攻略部隊信令作第3号:
       機密「ス」攻略部隊命令作第1号第二兵力部署陸戦部隊兵力中「舞二特」とあるを「八特根陸上
       警備隊四根派遣高角砲隊」に改む

 17.02.08:「ス」攻略部隊信令作第4号:
       情況変化なければ0130泊地進入、0300舟艇進発、0400着岸、日没前泊地進入隊形となす予定

 17.02.09:「ス」攻略部隊信令作第5号:
       甲泊地は深度十五米にて掃海済なり
       高瑞丸は一番錨地附近、金龍丸は三番錨地附近に入泊、急速設営器材の揚陸を実施すべし
       入港に当りては赤白立標を基準となせ

 17.02.10:「ス」攻略部隊信令作第6号:
       当隊電令作6号に依る主隊及び警戒隊の乙錨地入泊は特令ある迄之を行わず非番の警戒隊は
       A、B、C区の内方に在りて便宜漂泊すべし

 17.02.14:「ス」攻略部隊信令作第7号:
       航空部隊より朝凪を除き朝凪を第一警戒隊に編入す

「ス」攻略部隊信令

 17.02.02:「ス」攻略部隊信令第1号:
       2月3日1300より夕張に於て「ス」作戦打合せを行う、参集者
       (1)艦船側 驅逐艦長(飛行長)以上
       (2)陸戦隊 中隊長以上
       (3)設営隊 「ス」設営担当者
       (4)其の他 必要と認むるもの

 17.02.02:「ス」攻略部隊信令第2号:
       左に依り「ス」方面飛行偵察を実施すべし
      1.使用機:水偵一機
      2.期日:2日午前(柳参謀同乗)、3日午前(宮田部隊長同乗)

 17.02.04:「ス」攻略部隊信令第3号:
       夕張艦長は掌信号兵一及び水兵四を本日1800迄に高瑞丸に派遣、通信要務並に運輸に関し協力
       せしむべし

 17.02.05:「ス」攻略部隊信令第4号:
       各艦(隊)への臨時派遣員は一旦原隊へ復帰出撃前日更めて乗艦せしむべし

 17.02.07:「ス」攻略部隊信令第5号:
       本日左に依り電波整合並に通信訓練を行う
      1.1430より約一時間六セハ(九ツケ欠)
        使用暗号書表「G二」及び「ス」攻略部隊特定通信略語指定に「エン」を附す
      2.1630より約45分間リ一ツハ

 17.02.11:「ス」攻略部隊信令第6号:
       当方面防空は聯合艦隊戦策(ラバウル)に於ける防空方針打合せ事項覚えに準拠するの外
       最初に発見せる艦所は左に依り速に敵機来襲を報告通報すべし
      1.発見艦所
        無線若くは視覚通信に依り(ヒ)連送
        但し夜間は特に必要なる場合の外灯火を使用せず
      2.艦船
        昼間 高速力之字運動(碇泊中を除く)(サイレン)航空旗一旈
        夜間 火箭又は信号拳銃赤一発(碇泊中を除く)
      3.陸上
        昼間 狼火
        夜間 信号拳銃赤一発

 17.02.11:「ス」攻略部隊信令第7号:
       夕張艦長は主計兵二名を金龍丸に派遣、特令する迄同艦艦長の命を承け服務せしむべし

 17.02.12:「ス」攻略部隊信令第7号:
       陸戦部隊指揮官は速に重機銃二門よりなる機銃隊を対空警戒隊として高瑞丸に派遣し同船当地
       発前復帰せしむべし→28分後中止

 17.02.14:「ス」攻略部隊信令第8号:
       本作戦行動中に於ける派遣員は夫々原隊に復帰せしむべし

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